説話(僧侶:法衣)

僧侶が肩から掛けている袈裟を良く見ると四角の布切れを縫い合わせてあります。
これはかつてお釈迦さまが、“落ちているボロ切れを拾ってつなぎ合わせて肩に掛けて着なさい”と教えたのが原型になっています。
当時インドでは、着物が破れると雑巾になり、雑巾が擦り切れればボロ切れとなって捨てられ、そのボロ切れと牛の糞を混ぜ合わせて壁に貼って乾燥させ燃料にしていました。
僧侶の着物はこのボロ切れを集めて作ったことから「糞雑衣(ふんぞうえ)」と呼ばれていたのです。
僧侶は、「贅沢をしない質素を旨とし、物を活かして無駄なく使う」これが仏教の精神でした。
しかし糞雑衣が金襴に、衣や袈裟の色で地位を誇示する名誉欲の表れか、しかも高級車で乗りつけるなど、本来の精神はどこへいったやら、檀家離れが進むのも無理は無い!!
eお坊さんねっと 説話集より