説話:ブッダの育児論(子供は親の所有物ではない)

子供は親の所有物ではなく、一人前の人間であり権利は平等である。社会人である。18歳や20歳になるまでではなく、生まれて、自分でしゃべったり行動したりできた瞬間から社会人なのです。2歳にもなれば、家族の中では社会人です。3歳になると、幼稚園という組織の中での社会人です。6歳になれば、小学校という大きな組織の社会人です。では、社会人にしてあげることが親にできるかどうか、そこが親の仕事です。仏教では人をそういった観点から見るのです。
子供は、私の「所有」でもありません。「地球の一人の人間である」という風に育てること。それができれば、すばらしい人間に育ってくれるでしょう。「あなたは地球に生まれてきた地球の一員である。あなたが果たさなくてはいけない仕事がいっぱいあるんだよ」ということを教えてあげることができれば、それは一生役に立つのです。
お釈迦様(仏教の開祖)は、誕生してすぐ七歩歩き、“天上天下 唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)”と言葉を発したと伝えられています。これは、「この世で、たった一つのかけがいのない存在である自分を大切にしなさい。同時に、周りにあるすべての存在も尊い存在なのです。それらについても尊重しなければなりません。互いが互いを認め、尊重し合える生き方をしなさい。」という意味合いです。親が、子に対する心構えの一つです。
Reference:「アルボムッレ・スマナサーラ師(スリランカ出身の僧侶)講義資料(ブッダの育児論)より抜粋し編集」
eお坊さんねっと 説話集より