「無可無不可」とは

"可もなく不可もなし"(かもなくふかもなし)と読みます。
現代では「良くもなく、また悪くもない。まあ普通かなあ」などという意味で使われるのが一般的です。
これは孔子(こうし=儒教の祖、学者であり思想家)の「論語」が出典で、「自分の考えは臨機応変。世の状況や大義を見極めながら判断する。いろんな可能性を持って対処していく」という意思表示の言葉です。
「最初から決めつけずに、中道(執着を離れ、正しい判断をし、行動すること)で向き合う」という意味合いを含んだ奥深い言葉で、チャレンジしてみる前から、「あれは良い、これは悪いと決め付けたり、根拠無き評論は意味が無い」などという戒めの意味もあります。このようなことから、禅の精神を表す言葉の一つとして用いられています。
『東京IT新聞 「IT坊主の無駄方便」』より抜粋編集