説話:お葬式は亡者を送る得度(とくど)式

まず戒名についてですが、戒名(かいみょう)とは仏教において受戒(じゅかい)した人に、戒律を守るしるしとして授与される名前です。この受戒を行う儀式のことを得度(とくど)式といいます。
ただ、わが国においての仏教では全て同じ考え方かというとそうではなく、例えば戒名とはいわず、法名法号などという名称の宗派もあります。そもそも受戒するということは、家庭などとの関係を切り、世俗を離れ、戒を受けて僧になることとされていましたが、現代では、各宗派や寺院の定めに従って僧としての資格を得ることも含まれます。
生前得度を行なっていない人が亡くなられた場合には、亡くなられた後に、出家、得度、戒名授与などを行うとともに、現存する人たちの心のやすらぎを得る儀式としてお葬式を行うというのが近年では一般的な解釈のようです。
eお坊さんねっと 説話集より