説話(嫁の初ぼめ、丁稚のあとぼめ)

嫁いできた当初は「よい嫁がきた」と持ち上げ誉めるが、それは最初のころのみ。ある程度期間が経つと、当初の誉め言葉はどこへ行ったのか、愚痴が始まったり、時にはいびりが始まったりする様子を表現したもので、「嫁の三日誉め」とも言います。
また、丁稚のあとぼめの丁稚とは、江戸時代から1920年代ころまで行われた商店主育成制度のことで、奉公することです。
年少のころから見習い、修行と称して働き始めますから店主や親方などからあれこれ言われつつ成長し一人前になっていきます。
やがて独り立ちなどで店を離れることになり、居なくなった後に、「良い職人だった」とか「良い人間だった」などと誉める様を表現したものです。
「嫁の初ぼめ、丁稚のあとぼめ」とセットで言われることが多く、どちらも言っている人を皮肉ったものです。
<参考>:丁稚は上方(関西)ことばで、江戸(関東)では小僧と表現したものです。現代でも自嘲的に「まだ小僧(丁稚)です」などと比喩的に使われることがあります。
eお坊さんねっと 説話集より