説話(悪事は隠し通せるものではない)

法に抵触しているか否かに関らず、悪事・不正などを行う人は、それらが露見しないようあれこれ工夫します。しかしうまく隠し通したと安心できるのは一時です。
悪事は必ず露見します。決して不幸な報いから逃げることはできません。悪事を隠そうとずる賢い努力が積み重なったところで、悪事は世間に露見してしまうのです。
悪事の報いからどうして逃げられないのか。それは、我々の行動を監視している超越的な誰かがいるからではありません。その悪事を行う人が、自分自身で公示する(いろんな形で証拠を残す)からです。
人には心があるから様々な行為をします。その心が、欲、怒り、傲慢、憎しみなどの煩悩で汚れてしまうと、行為そのものも汚れます。それが悪事というものです。悪事を行う心をその本人が持ち続けているので、悪事の報いからうまく逃げられると思っても、それは大きな勘違いです。
中には一見、悪いことをしても不幸にならないように見える人々がいるかもしれません。しかし、そのような人々は特別に「ツイている」わけではありません。悪事を犯した心を持ち続けていますので、条件の揃った瞬間に、報いの結果を受けることになります。
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参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/howa1.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集