説話(人生設計)

「人はどのように生きるか、理想的な生き方というものでもあるのか。自分に合う特別な生き方はあるか。間違った生き方と、正しい生き方とは何だろうか。どうすれば正しい生き方を見いだせるか。そもそも人間が生きることに、何か意味があるのだろうか。」恐らく、これらの問いにズバリと答えを見つけたいという気持ちは誰しもが持っていると思います。ですが、皆が納得できる解は得られないでしょう。
たとえ解がなくても、生まれた瞬間から誰もが死に向かって歩き始めるというのは現実で、その歩き方は人それぞれです。しかし、「ただ生きていればいい」ということにはならないのです。このことに関連してお釈迦さま(仏教の開祖)は、次のように説いているようです。
『人間は否応なしに死ぬまで生きていなければいけない。財産の積み重ねよりも、道徳の積み重ねのほうが優れています。』とごく当たり前の説法です。
若いころ、釈迦族の王としての権利とすべての財産を捨てて、一文も持たない出家生活に入ったのも、この理由によるとのことです。もし、お釈迦さまが国王となり贅沢な生き方(恐らく)をして、親が期待したような立場での生活をしたとすると、現代にまで渡ってお釈迦さまのことを知ることはなかったでしょう。すべてを捨てて道徳の道に入ったことで、多くの人々がその考え(思想)を知ることになり、今現在に至るまで引き継がれるようになったのです。
人間は、生きている限り、道徳は大切にすべきです。それが成功する人生の基本でしょう。
私利私欲が優先し“せこい(Sekoi)”と言われる人生では情けない。何にも増して「基本と正道」です。
eお坊さんねっと 説話集
参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/howa1.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集