説話(葬儀のときの位牌と仏壇の位牌)

葬儀のときは「白木位牌」を、仏壇には「本位牌」が使われます。これは近年になってから定着した習慣です。
白木は手垢や汚れがつきやすく使いまわしができません。このことから「清浄無垢」という意味のほかにも「あなただけのためのものですよ」とか「一度きりのものです」という意味があり、お祝い事や、仏事に使われてきました。その習慣から、お亡くなりになったばかりの方のために使用する祭壇や位牌は白木を使用するようになったといわれています。
四十九日(中陰)を過ぎると忌明けとなり、本位牌にかえます。通常、本位牌はひとりひとり独立して作ることや、夫婦連名にするケースもあります。
また、繰出位牌(くりだしいはい)といって、ひとつの位牌の中に戒名を複数(7〜8枚)書かれた板を入れるタイプのものもあります。
四十九日には、白木と本位牌両方準備し、白木の位牌は魂抜きを、本位牌は魂入れをします。
なお、浄土真宗では位牌をお祀りせず、過去帳法名や没年月日等を記入しますが、地域の風習や先祖代々の習慣から位牌を使用する家もあります。
eお坊さんねっと 説話集より