説話(こころは生き物)

人は考えて行動します。行動の方向性はその人の感情、知識、理解能力、好み等によって変わります。人とつき合うのも同じです。自分のことを心配してくれる人、自分を利用しようとする人に対する自身の態度も「こころ」の働きによります。そうなると一時的な感情に引きずり込まれやすい「こころ」で生きている人は人間関係によって不幸に陥ちこむ危険性があります。
要するに「こころ」が冷静で正しく働くならば人間関係による不幸にはなりにくいでしょう。
「こころ」が自然に正しく働くならば幸いですが、実際にはそうではありません。「こころ」という働きは瞬時に変化し、環境や置かれた状況によって変わるものです。
今の瞬間のこころの状態が次の瞬間はどのように変化するかは本人にも分かりません。「こころ]の変化は自分ではどうすることも出来ません。望む望まないに関らず、今日満たされていても、明日はそれが悲しみや怒りに変わることはいくらでもあります。
人はこころで生きています。こころは生物(なまもの)ですから環境や条件によっては腐ります。腐らせないケアが大切です。
eお坊さんねっと 説話集
参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/howa1.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集