説話(お彼岸について)

春の彼岸、秋の彼岸と年に二回のお彼岸がありますが、「暑さ寒さも彼岸まで」ということばが示す通り、春には漸く寒さも遠のいて花だよりもちらほら聞こえる頃、秋には夏の暑さも和らいで涼しい風が心地よい頃がお彼岸です。お彼岸は七日間ありますが、その中日は春分の日秋分の日といって太陽が真西に沈むのに因んで、阿弥陀様の西方浄土に向かって手を合わせ、後生の安楽を願ったものです。
彼岸は仏の世界、此岸(しがん)は私たちが四苦八苦する迷いの世界(現世)です。
いうならば、彼岸は遠く、此岸はなれ親しんだ世界です。
ふと、「今の自分、これでいいのだろうか」と考えることはありませんか。そのような時、ご先祖や亡き方へ思いを馳せたり、自身の心のあり様を見直したり、そんなきっかけになるお彼岸です。
eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集