説話(お供え)

仏さまにはなぜ灯明や花をお供えするのか?
仏さまをお祀りする時、「香華灯燭(こうげとうしょく)」と言って、お香をたき、お花(華)を供え、灯明(とうみょう)をつけてお祀りするのが通例となっています。これは昔、インドでお客様を接待する時の作法からきています。インドでは貴人を接待する時に、お客様が家に着かれると、まず、きれいな香水でその汗を流します。インドはとても暑い国だからです。次に季節のお花で髪かざりをつくり、お客様の身体に飾ります。身支度が整ったら、ご馳走をしてもてなすのが接待の作法です。
香は、精進(しょうじん)で目標に向って最後まであきらめずに一生懸命努力することをいいます。火をつけた線香は最後の最後まで燃焼し精進を途切れさせないようにします。
華は、人は花を見ると「きれい」「美しい」と心がなごみ自然と落ちつきます。
灯明は仏の光(ともしび)、智慧(ちえ)を意味します。悩みや欲といった煩悩の闇をこの智慧の光が照らし、明るくしてくれます。
お墓参り、お仏壇等、お参りをする際には、香華灯燭が基本です。 
eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集