説話(お正月)

お正月の期間は新しい年を祝うおまつりであると共に、先祖をお迎えし供養する宗教的な意味合いが含まれていましたが時代の変化と共に、後者の意味合いはお盆のほうへシフトされていきました。
「月籠(つごも)りの夜、亡き人の来る夜とて、魂祭(たままつ)るわざは、この頃にはなきを、東(あずま)の方には、なほすることにてありしこそ、あわれなりしか」
これは徒然草(つれづれぐさ)に見られる大晦日(おおみそか)の様子ですが、このように昔はお正月にも(大晦日〜お正月にかけ)先祖を迎えて共に一年の幸せを願うものとされていました。
現代でも引き継がれている、初詣、門松、しめ飾りなど昔から慣れ親しんだお正月の風物詩にもそういった意味が込められていて、日本人らしさを感じることができる一つがお正月だといえます。
eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集