日本語あれこれ(足を洗う)

母親が足の汚れている子供に対して“足を洗いなさい”という場合とは違う表現としての「足を洗う」ことです。
今日では、はだしで直接土を踏む機会は少ないと思います。昔、はだしで外で仕事をすることは当たり前の時代がありました。従って足が汚れるのは普通のことであったのです。はだしですから汚れも相当ひどかったと思います。やがて時代の変化もあり、誰もがそんな仕事から身を引き、きれいな足で居られる仕事を望んだのです。こういった変化のことを指して「足を洗う」という表現が生まれました。
たがて、あこぎな商売をやめるときに使うようになり、単に職業をやめるときにも使われるようになっています。今では、街を行き交う人々の足元は、ファッショナブルで様々な形や色の靴で飾られ足元を見ただけではどのような職業の人か見分けがつきません。
IT坊主のひとりごと「IT坊主の無駄方便」集より
「知っているようで知らない日本語」㈱ごま書房より引用&編集