説話(おっくう)

「おっくうな仕事だ」とか「そんなことは、おっくうだ」と使われます。語源は「百千万億劫」の上三文字を省略した「億劫」(おくこう)が元になっているといわれています。
「劫」とは時間を表す単位で、とてつもなく長い時間のことをいい、一劫とは四億三千二百万年という説もあります。つまり「百千万億劫」とは、想像を絶した思考の及ばない数で、気の遠くなるような時間のことです。「面倒くさい」の意味に使われ、たいへん手間がかかり、多くの時間を費やすようなことを表わすのに「億劫(おくこう)なことだ」が「おっくう」になったということです。
この地球上に生物が現われたのが五億年程前、人類が生息を始めたのが二万五千年くらい前だといわれますが、いつになったら全世界が平和で住みやすい世の中になるのでしょうか。それこそ「億劫」も先の話なのかもしれません。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より
参考「仏教から生まれた日常の言葉」(耕雲寺:http://www.kouunji.or.jp/lecture/word30.html)より引用&編集