戒名(戒名の起源)

インドでお釈迦様が始めた(紀元前5世紀頃)仏教には、戒名の制度や習慣はありませんでした。
その後、仏門に帰依した人々が、釈迦の弟子を名乗って俗世界の名前を捨てたことが、戒名(宗派により、法名、安名、法号などと言います)の起源です。
中国では、実名の他に「あざな、字」を付けて使う慣習があり、出家の際には僧侶としての戒律を守ることを誓うと共に、釈迦の弟子になった「しるし」として、師から新しい名前(戒名)を授けられました。
中国から朝鮮半島を経由して日本に仏教が伝来したのは、西暦522年に百済( くだら ) の聖明王が仏像と経典を日本に送ったのが最初といわれていますが、同時に戒名の風習も伝えられました。
その当時は中国から伝わった戒名の 「 しきたり 」 がそのまま守られていて、 仏教と戒名との間に金銭が絡む関係は存在しませんでしたが、平安時代 (1180年 )に、東大寺の大仏殿が焼失(源平の合戦)し、再建の為の資金集めが必要になりました。
この時、資金を寄進した在家 ( 非出家者 )信者には、これ迄出家者にしか授けなかった戒名を授けることにしたのが金銭が絡むようになった始まりと言われています。
ただ、戒名がなければ成仏できないとか極楽浄土にいけないなどということはありません。
IT坊主の法話集 より