供養(墓石:なぜお墓に水をかけるのか?)

お盆やお彼岸には先祖の墓参りをしますが、その際に墓石に水をかける習慣があります。これには諸説あり。
仏教では人は死後、6つの世界(天上界、人間界、修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界)を輪廻(りんね)すると考えられています。
餓鬼界に落ちている時には、食べ物も水もないので、飢えと乾きに苦しめられる、この苦しみを少しでもやわらげるために、墓石に水をかける。仏になっても喉(のど)が渇く!先祖の魂を呼びだすために水をかける!墓石に水をかけることが合図となり、先祖の魂が墓参りにきた人の前にあらわれる!などなどです。
かける水は一杯二杯ではなく、たっぷりと墓石全体が濡れるほどに水をかけます。
墓石の上から水をかけることは、人の頭に水をかけることと同じことだから、やってはいけないことだという解釈もあるようですが、仏教上の教えからいうと上からたっぷりとかけることです。
生前お酒が好きだったからと言って、墓石の上からお酒をかけることは、墓石の変色や汚れの原因になりますし、アルコールが石の目にしみこむ恐れもありますので、やめたほうがいいでしょう(現実的なことです)。
お墓参りの際には、お墓や周りをきれいにして、今は亡き人への敬意を払うことです。仏教には水が魂を清めて、心身も清めるという考えがあります。
仏壇にお水を供えるのも、同じような考え方によります。
IT坊主の法話集より