竹に上下の節

禅語に「竹有上下節」(たけにじょうげのふしあり)という句があります。これは対句になっていて、「松無古今色(松に古今の色なし)竹有上下節」(竹に上下の節あり)」となります。
直訳では、「松は季節によって色(緑)を変えたりせず、いつも同じである。竹には、上下の節がはっきり存在し、上下の区別がある」という、何気ない自然の状態について、松と竹を対比して詠んだものです。
これは一連の句になっていて、意とするところは、『世の中の物事は同じでもあり、異なってもいます。これをありのままに受け入れられれば世の中は平和です。そこには好きや嫌いといった感情や、悩むこと苦しむことなどといった要素はありません。しかし世の中には、分けて考えたり、けじめを付けて考える必要のある物事があります。』という教えの禅語です。
出典:東京IT新聞 「IT坊主の無駄方便」より抜粋し編集