「松に古今の色なし、竹に上下の節あり」

現代解釈にすると、“松に古今の色なし”は、経験や年齢、社歴の違いはあっても、その役割におけるミッションにおいては平等であり差別はないという意味です。“竹に上下の節あり”は、節操の無い平等は社会には調和しない。けじめが大切です。ということになります。
竹が強くてしなやかなのは節を境に区別があり、 間に独立した空間が存在し、各々には役割があり各々が成長するからです。これを、企業における組織のあり方に置き換えて考えてみると企業では、経営者(トップ)は経営幹部(部長など)を事業(部門)の要所(節)に配置します。経営幹部には方針に従い部下を指導や育成するとともに、事業を推進し、トップを下から支えるという役割があります。トップは経営幹部やスタッフなどからの支えなどにより、運営が成り立ちます。
このように組織には上下関係がありますが人の優劣ではありません。企業を維持・成長させるためには適材適所になるように人員を配置した組織を構築する必要があり、それを運営するために任されるのが各々で各役割です。
上に立つ人が優秀なことには越したことはありませんが、優秀だから人の上に立っているとは限りません。役割は与えられたことに過ぎませんので、 適材適所で無い場合には、役割の変更を行なうことになります。
こういったことを割り切って風通しよく出来る組織であるかどうかは企業文化のあり方です。
出典:東京IT新聞 「IT坊主の無駄方便」より抜粋し編集