お盆のはじまり

お盆は、盂蘭盆(うらぼん)、正式にはウラバーナと言い、最も苦しい状態のことを言います。
お釈迦様の弟子に目連尊者(もくれんそんじゃ)という人がいました。目連尊者は大変神通力のすぐれた人です。
ある日、亡くなった母親がどうしているかと、神通力を使ってみると、母親は餓鬼道の世界に落ち、体は痩せこけ、お腹だけ膨らませて、口に入れようとする食べ物すべてが燃え上がり、もがき苦しんでいるです。
母親は、生前、他人の不幸を省みず、人をだまし、おのれの欲求のみに生きました。その結果が餓鬼道だったのです。
驚いた目連尊者がお釈迦様に相談すると「雨季ももうすぐ明けるので(旧暦の七月十五日、この時期、インドでは雨季の明ける時期で、雨季の間、修行に篭っていた お坊さんが修行からでてきます)修行から出て来たお坊さんたちを供養することによって、母親は餓鬼道の苦しみから救われるだろう。」と言われました。
早速、目連尊者は何百人というお坊さんを供養しました。そして、神通力で母親の様子を見てみると、母親は餓鬼道より救われ、ニコニコと微笑んでおられました。これがお盆のはじまりです。
eお坊さんねっと 説話集より