「開発」の本質

「開発(かいはつ)」の開は、埋もれているものや閉じているものを掘り起こすこと。発は、隠れていたものなどを表面に出す行為を指す仏教用語(「かいほつ」と読む)で、仏教の説く本質を表現しています。本来人間が持っている資質を「開き」「発(ほっ)せしめる(物事が始まる)こと」が開発であるというのがその由来です。
物理的な行動や行いのみでなく、心理的なことや心の行為も含まれています。ここで云う行為とは、「それまで自覚していなかった事柄が自覚できるようになる心の成長や新たな気づきを得るための行い、つまり意識して切り開くための具体的な行動」としています。つまり、「人生をより良く、より豊に、より充実して生きる知恵を実現する為の手法(指針をガイドするツール)の一つ」と捉えることができます。
尚このような教えや考え方は、時代時代で変化(基本の考え方は踏襲しつつ、時代に即した解釈に変化を加える)し、実践され、進歩し、現代に継承されています。
開発は将来に向けて行う目標であり希望を具現化する行為の一つで、発想や現状に対するイノベーション(古い常識からの脱却)から始まります。
『東京IT新聞 「IT坊主の無駄方便」』より抜粋編集