ITノーティス:要求、要求仕様、要求仕様書の違い

「要求」とは、エンドユーザー側から“・・・を実現して欲しい”とか、“現在行なっている・・・をこうしたい”とかという形で出すものです。エンドユーザーによっては、“具体的”にブレイクダウンした形で出されることも、具体的な数値が出てくる場合もありますが、これはあくまで要求という目標(お話レベル)と捉えるべきで、「要求仕様」のレベルではない場合が多くあります。
「要求仕様」とは、要求事項や要求値が整理され、目的、考え方、場合によっては方式、仕組みなどを含めて何をどうするかを明確(要求事項を具体的)にしたものです。ここでいう仕様とは「SPEC:Specification」のことで、表面的な“単一機能“や“単独の目標値”のみでなく、密接である他の機能との関連や機能を実現する仕組みや方法論などが考慮されたものであることす。
「要求仕様書」は、要求仕様を整理して、まとめて記述(書く)したものです。なお、この“仕様”には、機能に関する事項のみでなく、「処理能力、性能、操作、品質、工程、納期、運用、保守、補修、耐用年数、費用など」が含まれます。これら一連の事柄が含まれて居ない場合には、いずれどこかの段階で問題が露呈します。書き物にすることが重要です。
「プロジェクト運営のための知識の部品箱」(文芸社)より