説話(骨壷から「お骨:おこつ」を出してお墓に納める?)

納骨には様々な方法があります。自然を敬い自然とともに生きていた古代の日本人は、亡くなった方の身体(からだ)は自然界に還してあげるべきだと考えていました。仏教の伝来以降もかつての自然崇拝の名残は根強く、「土に還す」ということは、非常に重要なことだと考えられていたのです。
こういった考え方からか、特に関西方面などにはお墓に納骨する際には、お骨を骨壷から取り出し、納骨袋(サラシの袋。化学繊維製はNGです。)に移し替えたのちに、「自然に還す」という意味であらかじめ土を敷いた納骨室(お墓のつくりがそのようになっています)に納めるという納骨形態(供養法)が多くあります。骨壷は納骨までの仮のものという考えです。昔から骨壷のまま納骨する風習はありましたが、その当時の骨壷は素焼きのものであったため年月の経過とともに土に還ったのです。しかし近年は陶磁器製が多く土には還りませんので納骨袋に移し替えです。
関東は骨壷納骨が大半です。納骨室がコンクリートや石で囲った形態のお墓は土へ還すことは出来ません。
ご参考:骨壷の大きさにも関東と関西ではサイズが異なります。関東では6寸・7寸(約18cm〜21cm)、関西では3寸〜5寸(9cm〜15cm)が一般的のようです。
eお坊さんねっと 説話集より