説話(お盆の行事)

お盆には、亡き両親をはじめご先祖があの世から帰って来られるので大切におもてなしして心から感謝を捧げる期間とされ、今では日本の夏を彩る国民的行事になっています。全国的には八月十三日から十六日(東京は七月)にかけて行われ、墓参りのために郷里へ帰る人で大移動が生じます。
けれどもお盆の行事が形式に流れて、生きている我々がどう受け止めるかという大事なことが忘れられているようにも思われます。お盆行事のポイントは、
① お仏壇の花や供物 を御供します:先祖の御霊(みたま)を迎える準備です。亡くなった人から、後世の人に幸せになって欲しい、仲良く頑張って欲しい、二度とない人生を悔いなく生きていますか、と問われる時でもあるのです。(お仏壇がない場合は、遺影の前に御供しましょう)
② お墓参り:きれいに掃除をし、香を焚きくゆらせ、花や供物を供え、亡き人と対面し、精一杯さわやかに生き抜きますと誓いましょう。言葉に出さずとも心は通い合うのです。本当に大切なのはこの対話です。
墓参りのために郷里に帰る旅は、ただの旅行とは違います。自分の心を洗う旅でもあります。今の生き方(暮らし)の振り返りをする時間です。
eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集