説話(道徳教育は人を支える財産)

お釈迦さま(仏教の開祖)の時代、ある億万長者の家に一人息子が生まれました。
有り余る富に酔っていた両親は、「これほどの財産(お金)があれば、一生苦労しないだろう」と思い、子供に道徳どころか教育の機会さえも与えないで贅沢三昧に育てました。
年頃になり同様な億万長者の家から嫁をもらいました。一人っ子だった彼女も贅沢三昧で育てられた娘でした。両家の両親が亡くなったとき、息子夫婦は金銭上、親の2倍裕福になりました。
しかし教育もされておらず、生き抜くための知識がなかった二人に財産の管理はできませんでした。当然道徳的なことも身についておらず、酒好きな人々、賭け事におぼれる人々、薬物(ドラッグ)にふける人々に誘惑されて、あっという間に全財産をなくしてしまい、挙句の果ては住んでいた家からも追い出されてしまいました。この夫婦は、命を繋ぐために、物乞いになる以外に方法がなかったのです。
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参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/index.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集