説話(ギブアンドテイクの社会)

社会生活を営む上では他人に好かれること、他人と仲良くすること、調和を保つことは必要です。誰もが独り勝手に孤独では生きていられないのです。とはいっても、闇雲に、無知で、無批判的に他人に好かれようとすることは、とても危険な生き方です。正しい方法で他人に好かれる生き方を学んで、実践しなくてはならないのです。
しかし、他人に何かを与える、何かをしてあげることや、他人の要求に応じる生き方で好いてもらうことは安全な方法ではありません。一般的に、「与える」と言う行為は、「もらう」と言う行為(一方的)とセットなのです。普通の考え方は、ギブアンドテイクなのです。ギブアンドテイクが成立したら、結果はチャラなので別に互いに好かれても好かれなくても構わない。商売が成立したところで相手に対して無関心になっても構わない。といった割り切った考え方とケジメのほうが後腐れない平和な関係が保てることもあります。
「与える行為」は他人に好かれるためのひとつの条件になるかもしれませんが必須条件ではありません。相手によっては上から目線という受け止め方になるかもしれません。
eお坊さんねっと 説話集
参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/index.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集