説話(好きと嫌い)

好きなことをして生きるか、嫌いなことをしてでも生きるべきか、これは人生のジレンマです。どちらを選んでも苦難に陥ることはあります。人生には、好きなことも嫌なことも入り交じっています。好きとか嫌いというのは理性的なものではなく感情的なものです。
好き嫌いに足を引っ張られることを、仏教用語では「束縛(煩悩)」といいます。
『好きなものがある、好きな人がいると思っている間や、嫌いなものがある、嫌いな人がいると思っている間は、心は煩悩に汚れているという教えがあり心が束縛されているのです。
好き嫌いを乗り越えたところで初めて煩悩から心が解放されるのです。人の好き嫌いや性格は不変のものではないのです。日々変わっていくものです。そうなると、追うものや避けるものも日々変わるということです。好きになったからといって一生好きとは限りません。好き嫌いに足を引っ張られてはいけません。』という考え方です。
eお坊さんねっと 説話集
参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/index.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集