説話(仏教における結婚観)

正式な定義があるわけでもなく考え方には諸説あるようですが、仏教には正式的な結婚儀式というものはありません。神が一人ひとりの男に一人ずつの女を決めている、という迷信も仏教にはないのです。神が認めた相手なのに、なんで離婚するのかと疑問です。神の決定が間違っているのか、離婚する二人が神を冒涜しているか、さてどちらでしょう?
仏教における結婚に対する考え方は現実的で、男が気に入った女性の両親にお願いし両親もその女性もその男のことを信頼しているならば結婚は成立なのです。なのに何故、世に結婚制度があるか?それは自然法則なのです。女性は体力的に弱いのです(これは一般的な話で例外もあります)。
妊娠・出産は女性の仕事です。人間の子供は他の生物に比べて弱いのです。簡単に病気にかかるし、かなりの期間面倒を見なくてはいけないのです。これは年中無休の仕事なのです。女性を妊娠させた男に、その女性と子供を守る義務が自然に生じているのです。それで、結婚という社会現象が成り立っているのです。
夫婦の場合、若い時は頭が欲でいっぱいになっていても徐々に冷めてくるのです。最後に残るのは、互いに心配する、いたわりあう気持ちなのです。互いに精神的にも支え合って生きるカップルになるのです。連れ合いが、一生つきあえる、信頼できる友人になっていくのです。それは人間にとって幸福なことで、その気持ちが支えになるのです。
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参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/index.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集