説話「愚痴」

愚痴は仏教用語で「真理に暗く無知なこと。道理に暗くて適確な判断を下せず迷い悩む心の働きのこと。」をいいます。数ある煩悩の中で、「貪(むさぼ)りの心」「怒り(瞋り)の心」「愚痴の心」は人の心を悩ます根源とされていて一纏めにして「貪瞋痴(とんじんち)」といい三毒と名づけられています。
言っても仕方のないことを言い立てる状態のことを、「愚痴をこぼす」といいます。自分の希望どおりでない状態になったときについつい愚痴が出る。状況が好転する見込みもないのに、くどくどと嘆くことになるので聞かされている相手にとっては迷惑な話です。
逆に、心身ともに健康な人は言い訳やら愚痴を言わないし自然と人が寄って(集まって)くるものです。
愚痴っている人は本人には見えないが全身に愚かさが表れている。愚痴も度重なると周りからは嫌われ、やがて人々は離れていく。誰も「毒」には近づきたくないものです。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より