説話(流通)

“りゅうつう”「・滞ることなく流れ通じること。・広く世間に通用すること。・貨幣・商品などが市場で移動すること。」などの意味で使われます。
元々の意味合いは仏教の経典や教えを広めていく「流通(るずう、るつう):・仏法が伝わり広まること。・物事に精通していること。」などでした。それが転用されるようになったといわれていて謂れは次の通りです。
経典には三つの部分①序分(じょぶん)②正宗分(しょうしゅうぶん)③流通分(るずうぶん)で構成されているものがあります。各分それぞれ、
・序分:経典の導入部分「更に通序(一般の経典と共通な部分)と別序(固有な導入部)の区分けあり」
・正宗分:経典の本論
・流通分:経典の優れた点を示し、後世に教えが広く流通することを期待する願い
というコンテンツになっていて、これを三分化経と云います。これは経典を正確に理解し解釈するために利用されている方法(手法)です。
これからも理解できるように“流通”という言葉は、「流通分」でいう意味合いと願いからきているとされています。
「流通」とは、優れたものやことなどを広く行き渡らせるということなのです。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より