説話「不退転(ふたいてん)」

「改革の推進には、不退転の決意で」などと政治家の皆さんがよく使う表現です。
不退転の決意とは、志を固く保持して、決して屈しない決意という意味です。
実はこの「不退転」は仏教語です。
文字通り、退転しないことで、仏道修行の過程で、すでに得た功徳を決して失うことがないこと、もはや後退することがないことをいい、「不退の位」とか、「不退転地」といいます。
「不退転の決意で、この難局を乗り切る所存です。是非ともご理解いただきたい。」などと言われても周りは過去の事実や実績は忘れていないでしょう。耳障りの良い一時の言葉のみでなく、本当の意味での「不退転」な志を貫いてほしいと常々思います。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より
参考「楽しい仏教用語」(http://www.terakoya.com/yougo/b_yougo.html)より引用&編集