説話「演説」

そもそも「演説」とは、“仏の教えを説くことを意味し、自分の主義・主張ではなく仏の法について説くこと。”が仏教における演説の意味であったのです。
辞書等によると「演説」の、「演」は「講釈する」、「説」は「道理・教義・意義」を指し、道理や意義を述べ説くことをいい、「大勢の人の前で自分の意見や主張を述べることや 道理や意義を説き明かすこと。」とされています。「道理・教義・意義」についての情報発信をするわけですから大変に重い行為です。
一般的に演説と聞くと真っ先に浮かぶのが「選挙演説」という人も多いかと思います。自分の主義・主張を大衆(一般の人)に向かって説き聞かせ理解してもらうものであるはずでしょうが、強烈な印象を受けたり、名演説と思われるようなものを聞くことがない昨今です。逆に、一度発信(発言)したことを簡単に取り消し訂正する。挙句の果ては言った記憶がないとまでおっしゃる。誠に不思議な時代になったものです。
当選したいがために発する耳障りの良い言葉にはご注意を!
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より