説話(我慢)

「苦しくても我慢する」「やせ我慢」などと使われる「我慢」は、耐える、辛抱するという意味ですが、本来、辛抱とは全く関係のない言葉でした。「我」は自分、「慢」は慢心のことで、おごり高ぶる心を意味します。つまり、自分を高く評価して心が高慢であること。または、自分自身に固執して他人をあなどること。言いかえれば、うぬ惚れ、思い上がりのことを指します。
この我慢が辛抱という意味に用いられるようになったのは、自尊心という我が、ある程度強くなければ、苦難を辛抱するだけの気力が出ないと考えられたところからで、辛抱の意味に用いられるようになったのでしょう。
 『長所もうぬ惚れると短所となり、短所も自覚すれば長所となる』
「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師著を参考&編集
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より