説話「盆踊り」

夏の暑さも、まっ盛り。そんな暑い中、夏の風物詩に花火や、盆踊りなどがあります。さてその盆踊りは、お盆にお迎えしたご先祖の各精霊を唄(うた)と踊りでお慰めするという仏教行事の一つなのです。昔は慰めや楽しみといえば唄や踊りが代表的なものでしたから、お盆に迎えたご先祖の霊を唄と踊りでお慰めしようと考えたのも、ごく自然のことだったと思われます。
昨今の盆踊りは中央にやぐらを組み、輪になって踊る型式が一般的ですが、元々は行列して念仏を唱える行進型の踊りだったようで、あの有名な徳島の阿波踊(あわおどり)などは、この行列型盆踊りの代表的なものと云われています。近年では、こういった行事も「費用対効果が成立しない?」などで取りやめたり、規模を縮小したりという現状にもあります。盆踊りも時代の変化と共にその内容も和洋折衷となっていますが本来の意味を忘れず、お盆の行事及び日本文化のひとつとして大切に残していきたいものです。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集