説話「生命(いのち)を大切に」

連休明け、学期初めなどに子供の自殺が急増する問題を巡り、各地の団体では電話やネットでの相談受け入れを強化したり、居場所つくりをするなどに力を入れています。
厚生省が毎年刊行する人口動態統計による、2013年の資料では自殺の原因は ①学校問題 ②健康問題 ③学業不振 ④以下、家庭問題、友人との不和などが続いております。また日別では夏休み明けの9月1日が一番多く全国で130人、次いで4月の新学期時100人、5月の連休明けに80人という調査結果が出ています。大学生をふくめると900人もの若い命が失われているのです。未遂者はその数十倍に上ると言われています。
子供たちにとって「生命を大切に」「自分を大切に」とありきたりの説教は、百害あって一利なしで、『善い相談相手や助けを求める相手がいないこと、居場所もなくさびしいこと』などが大きな出来事の根幹にあると考えます。
「こころと命の相談室」快栄寺(eお坊さんねっと)説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集