日本語あれこれ「トリを取る」

毎年大晦日の「紅白歌合戦」。プロの歌手であれば一度でいいから“トリを取ってみたいもの”と思うのは当たり前でしょう。最後に登場することです。
そもそも「トリ」とは寄席言葉です。芸人の世界ではきっちりとした序列が守られていて、最後に登場するのが「真打」で格段の信頼と責任を負っているとのこと。「トリ」は“鳥”ではなく動詞の「取る」で、“最後を取る”ことです。締めくくりを大切にする。日本人ならではの美意識が生んだ表現です。
IT坊主のひとりごと「IT坊主の無駄方便」集より
「知っているようで知らない日本語」㈱ごま書房より引用&編集