日本語あれこれ「ふたつ返事」

子どものころ、親から用事を言いつけられて“ハイハイ”と“ハイ”を二つ重ねて返事をするとひどく怒られたものです。返事は“ハイ”の一つでしょうということです。確かに“ハイ”を重ねるといいかげんな返事のように聞えます。しかし、「二つ返事」の「ふたつ」とは“ハイハイ”と返事を二度重ねることではないのです。
この場合の「ふたつ」とは“次”という意味で相手の質問に対してすぐ「次の返事」を用意していることなのです。つまり“たちどころの返事”のことです。ためらうことなく返事することなのです。従って“ハイ”と一言で答えても「二つ返事」になるのです。返事をする場合にはタイミングが重要で、一呼吸おいて“ハイ”です。
IT坊主のひとりごと「IT坊主の無駄方便」集より
「知っているようで知らない日本語」㈱ごま書房より引用&編集