説話:ブッダの育児論(仏教における子育てのポイント:「善い人と仲良くする」)

仏教の古い経典群の中に「吉祥経」と題する、私たちに幸せとは何かを示すお経があります。その中に、子供に教えるべきポイントが記述されています。その一つが「善い人と仲良くする」です。
『子供には、良い性格の人、道徳的で智慧のある人と仲良くさせてあげることです。同じ年頃の子供でなくてもいいのです。むしろ年上の方が、子供は成長するのではないかと思います。昔は、地域全体で子供を育てていましたから、子供の遊び相手はいつも同じ年頃の子供とは限りませんでした。16才の男の子が3才の子の遊び相手になることもありました。それは互いにとって良いことで、16才という年はちょうどふざけるのが好きな年頃ですが、3才の子といっしょにいるときは、ふざけるわけにはいかないでしょう。何かあったら、親のような気持ちで「それは危険だよ」と、やさしく教えたり、面倒をみてあげなければならないのです。そうすると、16才の子の性格もしっかりしてきますし、3才の子も知らないことをいろいろ覚えられますから、お互いにとって良いことなのです。 子供には年齢の差に関係なく、道徳的で、善悪をきちんと判断できる人と仲良くさせることがとても大切です。』
Reference:「アルボムッレ・スマナサーラ師(スリランカ出身の僧侶)講義資料(ブッダの育児論)より抜粋し編集」
eお坊さんねっと 説話集より