企業における一大事にどう備えるべきか

企業が未来へと継続・発展するなかで、一大事(緊急事態)は起こりえます。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、貴重な人材や設備を失い、廃業に追い込まれた企業が多くありました。復旧が遅れ、サービスや製品が供給できずに顧客が離れ、事業の縮小や従業員の解雇という事態になったりもしています。 こうしたいつ発生するかわからない緊急事態への備えとして、企業の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定があります。 ただし、緊急事態がBCPの想定外でのことであったり、いくらBCPを策定していても、普段行っていないことを緊急時に行うことは難しいもの。緊急時に的確な決断を下すには、日頃から継続的に訓練しておくことが重要です。 東日本大震災での反省としては次のような点が報告されています。
BCPは「万能な計画である」と誤解されていたこと
・震災後に発生した様々な事象に対応できる柔軟性に乏しかったこと
・連鎖的に発生した様々な事象への対応の検討が不十分だったこと
上記の反省点などを教訓として今後の対応への質を少しでも高め、いざという時後悔しないために今できることを行うことです。 将来起きるかもしれない企業の緊急事態に備え、今、行なっておくべきことは何か。知恵を絞って考え備えること、それが一番の大事です。
※事業継続計画(BCP)とは
災害や事故等など発生し操業度が一時的に低下した場合でも、その事業所にとって中核となる事業については継続可能な状況までの低下に抑える(中核事業は継続させる)、また、回復時間をできる限り短縮させ、できるだけ早期に操業を回復させることにより事業所の損失を最小限に抑え、事業を継続させていくための計画のことです。事業継続と復旧計画(BCRP :Business Continuity & Resiliency Planning)とも呼ばれます。
『東京IT新聞 「IT坊主の無駄方便」』より抜粋編集