説話(おかげさま)

久しぶりに人に会って、「お元気でしたか?」などと声をかけると、「はい、おかげさまで」などと返ってきます。いったい“だれのおかげなんだろう”。これには諸説意味合いがあるようです。
おかげ(お陰)は、「目に見えない陰の影響(働き)」、「神仏などの偉大なものの陰、その庇護(ひご)を受けての感謝の表現」、「万物に感謝して」とか「なんとなく恵まれた心持ちというニュアンス」などなどを言い表すときの言葉です。特定の誰かとか、何かを指しているということではなく、物事は広く大きく全ての物(こと)と関っている(リンクしている)という仏教の考え方から出た言い回しのようです。
一般的に自分にとって“いい影響”の時に用います。逆に自分にとって“悪い影響”の時は、「○○のせいで」という言い方になります。
おかげさま!!なんとなく“ほっこり”した日本的表現の一つです。
「絶滅危惧言葉」にならないようにしたいものです。 
eお坊さんねっと 説話集より