説話(人は間違いを犯すもの)

人は間違い(過ち)を犯します。間違いを犯さない人間は世の中にいないのですから、間違いを犯すことが人間の特色だということもできます。このことを受け止めると、間違いについて極度に落ち込むことをしないで済むようになります。(但し、法に触れるようなことは単に間違いとはいいません。)
人は他人の間違いに対しては、そういったことを理解して許すこともできるような心の広さも重要です。
しかし世の中には、ふさわしくないタイプの人々がいます。それは、自分の間違いをごまかしたり認めなかったりする人です。人は、自分の間違いを知られたら許して欲しいと思うものです。ところが、他人の過ちとなると断固として許さず、非難する習性も持っています。このような場合は人間関係を悪くします。
社会の一員としてスムースな関係を作りたい人は、自分が間違いを犯した場合、それを他人が許してくれたら心がいかに楽になるかということを理解している人です。それから、他人も同じ人間ですから、間違いを犯すこともあることを理解することです。人の過ちをどこまで許すかというのはケースバイケースですが、人間関係の形成の度合いによるところが大いにあります。
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参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/index.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集