説話(人との関り)

私達にとって親類縁者は大事な存在です。伴侶や子供・孫たちは大きな喜びを与えてくれるものです。しかし親類縁者に対しては果たさなくてはいけない義務も沢山あります。場合によっては自分自身が犠牲になりながら義務を果たすこともあります。となると親類縁者とは一体何か?
一般的には血縁者・婚姻関係者ということになります。しかし親類縁者といっても皆とことごとく関係を保っているわけではない疎遠者たちも多くいるのです。では、最高な親類縁者は誰ですかということになりますが、 これも一般論では答えられない事柄です。親戚なのに疎遠になり関係を切ることが多々あります。例えば、「裏切られたり、迷惑をかけられたり、協力してくれなかったり、役に立たない」等の場合です。
但し、一般的には親・伴侶・子供・兄弟・祖父母などとは固く関係を保って生きています。信頼でき、裏切りはしません。困ったとき助けになる。安心して一緒にいられる。これらのことを考えると、自分なりの親戚の定義が見えてくると思います。血縁関係があるからといっても親戚にはならない。婚姻関係者だといっても親戚にはならないということが多々あります。互いに助け合って生きるなら、信頼できるなら、親戚関係は続きます。たとえ子供でも自分に攻撃を掛けて家を破壊に陥れる行動をとるならば関係が途切れることも有り得ます。逆に、血縁関係、婚姻関係がなくても、信頼できる、協力してくれる人なら、末永く付き合うこともあります。仏教的には「信頼こそが最高な親戚です」という教えがあります。真に信頼できる人が一人でも居れば親類縁者という枠を超えた最高な友であり同志に巡り会っていることになるのです。
eお坊さんねっと 説話集
参考:「パティパダー巻頭法話」(http://j-theravada.net/howa/index.html):A・スマナサーラ長老より抜粋・編集