説話(仏さまがいっぱい)

お寺には仏さまがたくさんお祀りされています。各々には皆、名前があり、それぞれを説いたお経で、どんな願い事を聞いてくださるのかが説かれています。しかしそれより、お祈りする人の心根の方が大事なのです。
そもそも仏教の教えでは、仏さまは無数にいると説かれます。誤解している人が多いと思いますが、仏さまはあの世にだけいる訳ではありません。観音さまややお地蔵さまは「菩薩」という肩書の仏さまです。
菩薩には完全に悟った仏(如来といいます。お釈迦さま、阿弥陀さま、薬師さまなど)に至ろうと、日々修行する人という意味合いがあります。
つまり、「私がもし仏さまだったら周りの人にこんなことをしてあげたいということを想い、できる限り実践しようと努力していれば、それこそが立派な菩薩であり、仏さまの仲間なのです。」とういう教えです。
例えば災害などで、駆け付けたボランティアの方々は、それに感謝する被災された方々にとっては正に菩薩であり仏さまです。またそれを見て、「自分にも何かできることはないのかな。」と思い、何か行動しようとする人もやはり菩薩であり、仏さまになる入口に立っているのです。私たちの住むこの世界には、そんな仏さまがいっぱい居ます。
eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集