説話「二つ(両:ふたつ)のこころ」

このような表現があります。「行(ぎょう)とは両(ふたつ)の心を同じところにおいて歩む姿なり」
私たちの気持ちにはおいしいものをお腹いっぱい食べたい気持ちと、体に負担にならない少食菜食をすることが大切であるという両極の気持ちが食事の時に顔を出します。
用事が有って忙しい時にはのんびり過ごしたいと思う。暇があるときは退屈で仕方ない。
人はないものを意識した時、ねだって余計に欲しくなるという裏腹な心に襲われます。
両(ふた)つの心とは片方が良くて、一方はそうでないと自分に硬い枠組みをはめてしまうとバランスを欠いてしまい、「何故こんなことをしないといけないのか」と問い、長続きしないものになってしまうのかもしれません。このように(両つの心を越えて生きようとする行い)あれこれの心に耐えながら前進することが行です。
今持っている価値観より、もう一段高い価値観へと近づこうと力を尽くすことは喜びに繋がります。
eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集