説話「膝(ひざ)とも談合」

そもそも「談合」とは?ということですが、その意味合いは単に「話し合い」を意味します。
しかし報道などで使われる談合は、「公共事業などで競争入札をする前に、競争するはずの業者同士が事前に話し合いを行い受注者と落札価格を決めていた」状況のことです。事前に業者同士が結託して上手く受注できるように、しかも受注金額も決めて自分たちが儲かるように、ましてやそのお金が税金ということになれば問題になるのは当然です。
しかしここで言うことわざとしての「膝とも談合」は、そういった使われ方ではありません。
何か思案にくれて困り果てたときは、到底役にたちそうでもない自分の膝にでも相談してみようということになります。しかしその本意は、「どうしようもなく困ったときには、いくら話してもどうにもならないと思う人にでも無駄と決め付けずに相談してみようと。」という意味合いがあります。
及び「考えが纏まらないときに膝を抱えている様が、膝に相談しているように見える」と言うところからきていると言う説もあります。
膝を抱えてじっくり考えてみたら気持ちが落ち着いて、ひょっとしたら何かのヒントが思い浮かぶかも知れません。膝も身の内あれこれ文句はいいません。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より