日本語あれこれ(すてばちになる)

「失敗続きでやる気を失せたり」「自分の思うようにならず回りに当たったり」などで、“どうにでもなれ”という思いになり望みなどを失い、ふてくされたり、やぶれかぶれになったり、やけな振る舞いや態度に出る。このような状況になることを「捨て鉢になる」と云います。
この言葉は禅宗「仏教の宗派で、臨済宗(りんざいしゅう)、曹洞宗(そうとうしゅう)、黄檗宗(おうばくしゅう)等があります」の修行からが語源のようです。諸説あり、その内のひとつとして次があります。禅宗の修行のひとつである托鉢『たくはつ:修行の一環として、人家を回り各戸の前に立ちお経を唱えて食物や金銭を「鉢に受けて回る」こと』からという説です。托鉢は冬の寒風のときや雪の降る中、逆に夏の暑い中様々な環境のときにも行います。乞食扱いされることもあるでしょう。中にはこういった状態に耐えかねて持っている「鉢を投げ捨てて逃げ出す」修行僧が居ます。この状態のことを言い表した言葉として「すてばち」が出てきたようです。
近年、嘆かわしいニュースや報道を見聞きします。「すてばちになり」自暴自棄な気持ちになったりしないためには周りとの関わりは大切です。
IT坊主のひとりごと「IT坊主の無駄方便」集より