日本語あれこれ(水くさい)

“水くさい”という言葉、単に「水が臭い」ということではなく一般的に「よそよそしい態度」とか「他人行儀」であるとかという意味合いで使われます。この言葉の由来には様々あるようです。
・『地域にもよりますが、料理の味が薄くて物足りないことを「水くさい」といいます。これは「料理の味が薄い」→「作り手の愛情が少ない」と変化し、やがて「薄情」という意味での使われ方になり、やがて現在の意味合いになったようで「水気が多くて味気ないまずい食べ物」のことを云ったようです。通常「水」は無味無臭ですから、どちらかというと「水っぽい」が正しいかも。』
・『これも地域による風習かもしれませんが、お酒を複数人で飲む場合、お互いが飲んでいる杯(さかずき)を交換して飲むことが多々あります。礼儀として相手に杯を渡す前に盃洗(はいせん:水を入れた杯をすすぐ器)で杯をすすぎお酒を注ぐと水の味が残って「みずっぽい=水くさい」酒になる。気心の知れた者同士であればわざわざ洗わなくてもいいだろう。「他人行儀」だということになったようです。酒好きの方から生まれた説でしょう。』
これら例示です。他にあるかもしれません。決して悪い意味での言葉でなく、状況や状態を素直に表現したものと捉えたほうがいいのかもです。
IT坊主のひとりごと「IT坊主の無駄方便」集より