説話(天寿)

「天寿をまっとうする」という表現があります。
天寿とは、天からもらった命、祖先から受け継いできたこの命のことです。
しかし自分がいったいいくつまでの寿命をいただいているのか、誰もわかりません。
だからこそ天寿いっぱいに生きる必要があるのです。自死など、ゆめゆめ考えてはならないことです。
祖先を尊敬し、両親に孝行し、慈愛を以て人に接し、現実を直視し、善悪を見極めることが基本でしょうが、あわただしく、目まぐるしく変化する現代社会においては、きれいごとでは済まないことが多々起こります。ある程度の免疫を身につけておかないと置いてきぼり状態になることがあります。
但し、法は犯さず、他人には迷惑をかけず、後ろ指を指されないこと。これは基本です。
しかし、人間長くやっていると多少の甘えくらいはご勘弁をという気にもなりますが・・・。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集