説話(日本文化)

仏教では、聖徳太子の考えを尊敬し教えを引き継いでいることが多々あります。仏教を学ぶ人々の基本となる姿勢を『山家学生式(さんげがくしょうしき)』という書の中に、「国宝とは何をいうのか。それは道心(どうしん)〈自利利他の心〉を持っている人の事である。人それぞれが今いる場所で頑張っている〈一隅を照らす〉そんな道心を持った人の事を、西の国では菩薩(ぼさつ)と呼び、東の国では君子(くんし)と呼んでいる。仏教の宝物は、自分が悟りを開く為にも、自分だけでなく、他人(ひと)の為にも力を尽くす事ができる人の事である」と記されているのです。
聖徳太子は「自分以外の人の考えを認めて、尊敬し合い、みんな仲良く幸せになろう」と教え。
仏教では「仏教の修行というのは、自分だけのものではなくて、他人(ひと)の為に尽くす事〈忘己利他(ぼうこりた)〉が揃って完成されるもの」と教えています。
これらは、長い歴史の中で自然に人々の心に根付き、現代にまで伝えられてきたのではないでしょうか。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集