説話(あなたは幸せですか?)

「あなたは幸せですか?」という質問に、多くの国民が「幸せ」と答えるという国、「ブータン」。
この国は、医療や教育がすべて無償で平等に受けられるようになっています。また、「来世の幸福を得るために無駄な殺生をしない。他人に対して親切にする。」という教えがあり更に国民の最も大事なこととして、「両親、先祖、および周りに感謝すること。」を多くの方が挙げているようです。そして、その感謝の気持ちを持ち続けることは、自分の幸福に欠かすことのできないこととしています。
今日まで世界中の政治家や経済学者は、人々の幸福には経済の発展と物質的な充足が不可欠であると唱えてきました。しかし、ブータンは物質的な満足が必ずしも幸福につながらないと主張し続けています。
さて、日本はどうでしょうか。
「絆(きずな)」、「おもてなし」、「社会福祉」、「安心・安全」、これら耳障りだけがいい言葉として使われていないか。これから先へ向けての幸せとは。
そのヒントはブータンの人たちが口にする「感謝」にあるように思います。
唯一の「被爆国日本」、子々孫々に至る未来へ向けての幸せとは。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集