説話(幸福度)

ある国際調査機関の幸福度調査によると、日本の幸福度は先進国の中で最下位だそうです。幸福度は調査の方法や基準によっていろいろな結果が出ますが、例えば次の質問をしてみたとします。
「今、幸せな人は手を挙げて。」手が上がるのはおよそ半分。
今度は質問を変えて、「今、着ているのは自分の服ですか?」、「食事はしましたか?」、「屋根のあるところで寝ていますか?」、これらの質問には、充分で満足とまではいかないまでも大方の人が「はい。」と答えるのでは?
つまり、衣食住はあっても幸福を感じられないのが今の日本です。
となると、私たちが求めてきた幸福とは何だったのか?そして、どのような状態であれば幸福を感じることができるのか。ヒントはブータンの人たちが口にする「感謝」にあるようです。一日のうち、少しでも楽しかった、うれしかった、有り難かった、面白かったと思えることがあったら、そう感じることができたことを感謝する。そんな国民性があるのでしょう。
欲を言い出したら際限なくエスカレートし、不満・不足を考えるときりがありません。じっと待っていても向こうから幸福が転がり込んでくることもないでしょう。仮に、手に入れたと思った幸福も永遠に続く保証はありません。
夢は広く・高く、感謝の心をもって少欲知足と言い聞かせて幸福を作ってみる。その時々に応じて自分のほうから幸福に歩み寄っていく努力が必要かも。幸福感は人それぞれ!
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集